先日、車で移動中のラジオで、「運動会の組体操のピラミッドやタワーで怪我をする生徒が多発しているので禁止をする」というニュースのことをやっていました。
そのこと自体の背景を私はよく解からないので、良いのか悪いのかは分かりませんが、パーソナリティーの方が「危険を排除する=安全」ではないと言った言葉がとても印象に残りました。
どんなに危険を排除したとしても、危険因子はどこにでもあるものだから、危険を察知し、回避する能力を養うことが大事だと言っていました。
「危険だから」と言って、子供が経験する前に大人がやらせなくすることで、子供の成長の機会を奪ことになるとも言っていました。
もちろん怪我をしないことに越したことはありませんが、「危険だからやらせない」というのでは何もできなくなってしまいます。
車の運転や仕事、極端なことを言えば、外を歩くことにでも危険は存在します。
ですから指導する人が寄り添い、本人に危険を察知させ、回避する方法を考えさせるよう指導することが必要だと言っていました。
私はそれを聞いて、本当にその通りだなと思いました。
私たちの仕事は常に危険と隣り合わせですから、「危険だから」と言っていたら仕事を辞めるしかありません。
もちろん危険因子をできるだけ排除する努力は必要ですが、最後は本人が危険を察知し、回避するしかないと思っています。
大手の現場では、安全対策、安全教育などいろいろな取り組みをしていて、その内容などは本当に重要なことを言っていますが、どちらかというと、怪我をした人が出た時に「安全対策はしていました」「こちらには不備はなかった」「責任は本人にある」と、会社の責任を回避するためのものということのほうが大きいと感じています。
安全第一と謳ってはいますが、実際の現場では、工期や予算的なこともあり、危険を承知でやらなければならないことは多くあります。
ですから最終的には、作業をする本人の能力に委ねるしかないのだと思います。
私たちの業界では昔から「怪我は自分持ち」ということを言葉があり、「怪我をすることは全て自分の責任」と言われていました。
それが良いとは言いませんが、そのような意識でやる必要はあると思っています。
私は社員の仕事を見ていて、「塗り残し」があることがとても気になります。
仕上がりが悪いというようなことは技能の問題ですから経験が少ないのである程度仕方のないことですが、塗り残しをして、それに気付かないということは観察不足や意識の問題だと思います。
人のやることですから常に完璧とはいきませんが、自分のやったことの確認作業をしていなかったり、物事をいろいろな角度から見ることが身に付いていないということになります。
これは単に塗り残しのことだけでなく、安全面にも共通することだと思っています。
塗り残しを作らないために、自分の作業を確認をしたり、いろいろな角度から見て作業をすることは、怪我をしないように、危険を察知し、対策をとることと同じだと思います。
ですから、そのような仕事をしている人をみると、いつか怪我をするのではないかと心配になります。
私たちはCLを学んでいますが、CLでは観察をとても重要視します。
今ある事実を把握しないと、なすべきことも間違ってしまいます。
私はCLでまず仕事に活かして欲しいことはこの観察です
仕事でも常に観察を意識して、怪我や事故の無いようにやって欲しいと思っています。
一生懸命仕事をしても、万が一取り返しのつかない大怪我をしてしまったら元も子もありませんから。
ですから仕事の一つ一つの作業をやり残しのないように、丁寧にやることを意識することも、危険を察知し、回避する能力を養うことにつながると思いますので、しっかり指導していきたいと思います。