皆さん、山ほどあるスケジュールの中、拙い私のブログを読んで下さり、また、コメントいただき、どうもありがとうございました。
では、最終日、よろしくお願いします。
「人間万事沼津息子が微笑み」
沼津インターチェンジを下りきった町に、私の家は あります。
私は、タクシーの運転手をしています。
ところで、私の息子は不思議な力を持っているのです。
ある時、
「父さん。『人間万事塞翁が馬』という諺の意味、知ってる?」と息子が言いました。私は、
「その諺は聞いたことがあるけれど、意味を知らないよ。ネットで調べてみたら?」
と言いました。
息子は、さっそくアイフォンで調べて、解ったようでした。
「教えてくれる?」と私が尋ねると、息子は 微笑みながら 首を横に振って、
「うーん。ちょっと長過ぎて・・・。」と言いました。
「そうか。じゃあ、いいよ。父さんも又いつか アイパッドで調べてみるよ。」
と私は 言いました。
それから 数日後のことです。
私は、タクシーの仕事の途中で、晩御飯を食べに、家に戻って来ました。
その晩のおかずは、息子も私も大好きな 天ぷらでした。
私は 息子に、
「やったね。ご馳走だね!」と言いました。
すると 息子は、黙って微笑んでいるだけでした。
私は、慌てて天ぷらを食べたので、その後 お腹をこわしてしまいました。私は 腹痛がおさまるまで、ベッドで寝ていました。
小一時間 眠ってしまったので、
「ついてないなぁ。」と つぶやいて、仕事に戻ろうとすると、息子が微笑みながら 首を横に振って、
「そうとも限らないよ・・・。気をつけて行ってらっしゃい。」と、私を送ってくれました。
タクシーで三島駅北口まで戻ると、お客さんは一人も見えず、そして、他のタクシーも
1台も いませんでした。
「遅かったか?」と つぶやいて、私が タクシー乗り場に車を横付けして、しばらくすると、後方から、20代くらいの青年が 息を切らしながらやって来て、私の車に乗りました。
タクシーに乗るや、青年は、中国語なまりの日本語で、
「伊東まで どのくらいで行けますか?」と、言いました。(どうしたのだろう?)と思い、尋ねてみると、青年は、東京から新幹線に乗り、熱海で乗り換えるべきところを乗り過ごしてしまった、とのことでした。三島駅からタクシーで伊東まで走れば、私の通常の1日の売上げの3分の1を補うのに、十分の仕事です。
私は、天ぷらでお腹をこわして 三島駅へ戻るのが遅れてしまったものの、巡り合わせで、大きな仕事をすることができました。
まるで、息子の予感が当たったかのようでした。
その日の乗務を終えて帰宅した私は、ネットで“人間万事塞翁が馬”の意味を調べてみました。
解説文を読み終えた私の顔も 微笑んでいました・・・と・・さ。