一か月にわたる工場の工事が、やっと終わりに近づいてきました。
ある日、その会社のF社長とお話をしていると「最近はどう?忙しい?」と聞かれました。
「何とか頑張っています」と言うと「海野さんじゃあ、この辺からもどんどん仕事が来て忙しいんじゃないの?」と言われました。
その会社は沼津の工業団地にあり、周りには大きな工場しかなく私のところへ仕事が来ることはまったくありませんでしたので「???」という感じで、F社長の言っている意味がその時はよくわかりませんでした。
今回はその工場の屋根の塗装の仕事でしたが、屋根の上から周りを見渡すと、この工場より大きな工場ばかりで「こんなに大きな工場の仕事が入ってきたら儲かるだろうな~」と思っていました。
今回の工事はかなりボリュームがありましたので工期も長くなりましたが、工事の間、その会社に訪れる人の中には私の知り合いも多く来ました。
工具屋さん、機械屋さん、お弁当屋さん、鉄骨屋さんなど、ある会で知り合った方が多く、その度に私も挨拶を交わしました。
F社長はその会のリーダー的な存在で、とにかくF社長の紹介で多くの人がその会にオブザーバーで参加したり、会員になっています。
よくよく考えてみると、この工場の隣の会社も、横の会社も皆この会の会員で、この工業団地だけでもたくさんの会社の方がその会の会員でした。
最初に周りの会社を見渡した時には、「私のところに仕事が来るはずも無い」という思いでしたが、その会でその社長さんたちと縁をつなげることが出来たら「私のところにも仕事を依頼してもらえるかもしれない」という思いが湧いてきました。
F社長は、とにかく誰でもその会に人を誘い「会に入んなよ」と言っています。
この会でもよく「会員増強」と言っていますが、私は形だけの知り合いを増やしてもあまり意味はないのではないかという考えがありました。
しかし今回の仕事の間、私が多くの知り合いと挨拶を交わすことができたのは、F社長が皆をその会に誘い、そこで私も知り合いになれたおかげだということがわかりました。
F社長はとにかく人を大事にしてくれる方ですから、その会に人を誘うことで、「その会で縁を広げ、ビジネスチャンスを掴め」と応援してくれているのかもしれないと思いました。
現に、横の会社の社長さんとは、一度その会で名刺交換をして、葉書を書いて返事をもらったこともありますから、仕事をもらえるチャンスはゼロではないと思います。
どんな会にするのか?どんな人を増やすのか?という問題はあるかもしれませんが、「人を応援する」というスタンスを一貫しているのだと思いました。
私は人を誘う時に「来てくれそうな人」「誘いやすい人」に声を掛けますが、それは自分の都合ばかりを見ていて、相手のことを考えていないと思います。
私は沼津経営塾に誘ってもらい、そのおかげで今がありますから、そこには価値があることを知っています。
それならば「とにかく来てみなよ」と誘うことが相手を応援することになると思います。
そこからどうするかは本人の問題ですが、自分のスタンスとして人を誘い、応援していこうと思いました。
来年の沼津経営塾には毎回誰か一人は誘うことを自分の課題にしていこうと思います。